少し前ですが、今年のG.W.に父の希望により岡山市にある岡山県立青少年農林文化センター三徳園に行きました。
目的は、私の祖父が昔寄贈した農機具(道具)を見ることでした。
農業展示室は2階建ての建物です。
どちらの階にも実にたくさんの昔の道具が展示されていました。
1点1点に寄贈者の住所・名前・寄贈日が書いてありました。
1階は農業用の道具以外に弁当箱や教科書などもあり農家の昔の日常道具を中心としたもの、2階は大型の農機具がいろいろと展示されていました。
さて、祖父が寄贈した道具というのは・・・養蚕に関するものでした。
話には聞いていましたが、今でも展示されていたとは。
私は蚕を飼っていた時代を知りません。親の話によると、稲作だけでは現金収入が足りなく子供の教育費のために祖父が養蚕を始めた、との事だったようです。
「お蚕さん」と呼ぶことからも当時かなり貴重で大事だったんだなぁと想像できます。
蚕種催青箱。蚕の卵を孵化させるための孵卵器だそうです。蚕って昔はこんな字だったんですね。
養蚕に関する道具は我家だけでなく他の方が提供された道具もいろいろとあったのですが、蚕の飼育についての知識がないため道具の具体的な使い方が想像できなかったのが残念でした。
祖父が寄贈していなければ今頃は廃屋のゴミにしかなっていなかったことでしょう。
1点1点寄贈者の名前が残っていたおかげで道具を確認することが出来、その道具が時代と時代を繋いでくれました。父にとって懐古であり終活であり、私にとって家族の歴史を知る機会となりました。
普段は父が語る昔の話を真剣には聞かないのですが、というか聞いてもほとんど記憶しないのですが、今回みたいに実物を見るとちょっとは聞いておこうかなと思います。