来年、2017年1月から所得税の医療費控除が変わります。
スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)が創設されました。
スイッチOTC薬控除の内容
いつからいつまで? 平成29年1月1日から平成33年12月31日まで 5年間
対象となる人は? 健康の維持増進や疾病予防のために、次の検診等や予防接種(医師の関与があるものに限る)を受けていて、対象となるOTC医薬品を購入した人。
① 特定健康診査(メタボ検診) ②予防接種 ③定期健康診断(会社などが年1回実施しているもの) ④健康診査 ⑤がん検診
いくら控除されるの? 対象となるOTC医薬品の年間購入額(同一生計の家族の分も含まれます)が12,000円を超えるとき、超える部分の金額(上限額は88,000円)
従来の医療費控除との関係は? この特例は、従来の医療費控除と同時に利用することは出来ません。どちらを利用するかは自分で選択することになります。
対象となるOTC医薬品とは
OTC医薬品とは、薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品です。かぜ薬、解熱鎮痛薬、ビタミン剤、ドリンク剤、胃腸薬、発毛薬、点鼻薬、点眼薬、水虫薬等々あります。その中で対象となるOTC医薬品は特定の成分(CMで耳にする名称としてはイブプロフェン、インドメタシン、フェルビナクなど)が含まれているもので、対象商品としてはH28年6月時点で1492点となってます。必要に応じて2か月に1度更新される予定らしく確定はしていません。それにしても商品数が多すぎて覚えられるものではありません。
そこで、対象商品にはマークが表示されることになりました。
薬局などで薬を買うときはこのマークの事をちょっと意識してみて下さい。
この制度の目的、利用などについて
この制度の目的は「セルフメディケーション(自主服薬)の推進」です。
軽い病気の症状緩和などには薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者から正しい情報を提供してもらいながら医師が処方する医療用医薬品からOTC医薬品へ替えていくことで自分の健康は自分で守ってもらおうという事です。
つまり予防医療を推進して医療費などの社会保障費を少しでも抑えたいという事ですね。
このスイッチOTC薬控除ですが、会社や自治体が行っている健康診断を受けている人で年間の医療費の合計が10万円を超えず医療費控除を適用できなかった人は、対象となるOTC医薬品の年間購入額が12,000円を超えれば受けられる可能性があります。
そのためにはレシート(領収書)をチェックし保管しておきましょう。
制度開始まで半年です。
対象商品のパッケージには上記のマークが印刷(又はシール貼付け)されるものと思われますが、レシート(領収書)で判別できるかどうか確認して下さい。
確定申告の時、医療費は領収書を集計して控除を受けるかどうか判断しますが、対象となるOTC医薬品の表示がどのようになるのか現時点では分かりません。
薬局やドラッグストアの規模も様々であり全ての店舗が対応できているとは考えられないので、対象商品を購入したらレシートに印をして後からわかるようにしておくのが良いと思います。
この制度についてはまだ不明な点があります。それは
① 控除を受けようとする本人が 特定健康診査・予防接種・定期健康診断・健康診査・がん検診 を受けているかどうかをどのように判断するのか(自主申告?)
② 控除を受けようとする本人が①の検診等や予防接種を受けていれば、同一生計の家族は受けてなくてもいいのか
です。
後日詳細等は公表されるでしょうが、まずは新制度を知っていただければと思います。