補聴器を医療費と認めてもらうには

所得税の確定申告でよく利用される「医療費控除」ですが、対象となる医療費の範囲は広いです。
わかりやすいものとしては、病院・医院や薬局の窓口で支払う診療・治療費や薬代ではないでしょうか。
他には、通院にかかったタクシー代も医療費として認められます。
(ただし自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車料金はダメです。客観性がないからでしょう。)
タクシー代が医療費となる根拠は、所得税法基本通達73条の3にあります。

ー所得税法基本通達73条の3ー
次に掲げるもののように、医師等による診療等を受けるため直接必要な費用は、医療費に含まれるものとする。
(1) 医師等による診療等を受けるための通院費若しくは医師等の送迎費、入院若しくは入所の対価として支払う部屋代、食事代等の費用又は医療用器具等の購入、賃借若しくは使用のための費用で、通常必要なもの
(2) 自己の日常最低限の用をたすために供される、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用
(3) 省略

「医師等による診療等を受けるため直接必要」ここがポイントになります。
診療等を受けるために直接必要かどうかは診療等を行う医師の判断が必要になるはずです。そしてその事を客観的に示すために証明書が必要になります。
補聴器の場合、耳鼻科の先生が作成する「補聴器適合に関する診断情報提供書」に診療等に直接必要である旨が書かれているかどうかによります。

申告時に「補聴器適合に関する診断情報提供書」を提示するか添付します。

自分で購入した眼鏡や補聴器を医療費とし、購入費用が医療費控除の対象になるかどうか争われたことがありますが、いずれも認められていません。
客観性が重要という事です。