先日国税庁が「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」を公表しました。
制度概要編と個別事例編に分かれています。
個別事例編では、軽減税率の対象となる飲食料品は人の飲用又は食用となるものである、という根幹となる考え方を基に具体例が紹介されています。
先日外食の定義について書いたので、この度公表された「外食の範囲」の具体例についてみてみました。
軽減税率の対象とならない「外食」は、①取引の場所と②サービスの提供と言えるか、という点に着目して定義されています。
外食は、サービスの提供者が飲食のための設備やスペースを用意しそこで食事や飲み物を提供するのが基本ですが、お客さんが指定した場所で調理をしたり食事や飲み物を提供するサービス(ケータリングや出張料理)も外食として扱われることになっています。
ただし、ケータリングから外されるものがあります。それは
① 老人福祉法第29条第1項の規定による届出がされた有料老人ホームにおける食事
② 「高齢者の居住の安定確保に関する法律」第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅における食事
③ 義務教育諸学校の学校給食
④ 夜間課程のある高校の夜間学校給食
⑤ 特別支援学校の幼稚部及び高等部の学校給食
⑥ 幼稚園の学校給食
⑦ 特別支援学校の寄宿舎での食事
です。つまり①~⑦の飲食代は軽減税率(8%)が適用されるということです。
さらに、一食640円(税抜き)以下でおやつも含めて一日あたり1,920円までとなってます。・・・・何とも細かいものです。
さて、高齢者支援としては①と②ですが、現在高齢者の介護や福祉に関する施設としてはデイサービス、ショートステイ、グループホーム、老人ホーム等々いろいろあります。
少し調べたところデイサービス、ショートステイ、グループホームは①や②には該当しないようです。(私は社会福祉関係の専門家ではないので正確なところは施設の事業者か専門家にお尋ねください)
これらの施設での食事はお弁当というところもあるでしょうが、手作りの食事を提供しているところもあります。その場合の食事代にかかる消費税は10%という事でしょうか・・・。
色々な種類の福祉施設がある中で①と②を軽減税率対象としているのは“住居”としての扱いかどうかという点なのだと判断します。
老人ホームでは生活の基盤がホームであり提供された食事を摂ることになるわけです。
一方デイサービスやショートステイは「通所」という扱いになるからそこでの飲食は「外食」という事なのでしょうけど、気持ちとしてはそこまで区別するのかなぁという感じです。
手作りのものを食べてもらおう、としている食事のサービスが利用者の負担増になってしまうというのも悲しく思います。
たかが2%、されど2%です。
老人ホームに入りたくても入れない人が大勢いるのに、利用できる施設によって差が出るというのも問題になりそうに思います。
H29年4月から消費税が上がるかどうかはわかりませんが、指針が公表されたという事はその指針にあわせる事になるのでしょうがすっきりしません。