先日新聞で「ジェームズ・レヴァインがMETの音楽監督を今季で退任する」という記事を見ました。残念です。
METとは、アメリカ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の略です。
記事では退任の理由としてパーキンソン病を患っていて指揮が困難なため、とありました。残念ですが病気なら仕方ないですね。
ジェームズ・レヴァインはものすごく有名な指揮者で、特にオペラ。
なにしろ「ジェームズ・レヴァインと言えばMET」です。
METへのデビューが1971年。その後第1指揮者、音楽監督、芸術監督などに就任して40年以上METで活動しているそうです。
一歌劇場に40年以上も携わるというのは指揮者の中でもとても珍しいように思います。
日本にも何度かMETと来日し公演をしています。ただ、ほとんどの公演が東京なのと、人気があってチケットも高いため実際の公演を観たことはありません。
観ておけば良かったかなぁ・・・。
確か指揮者としての来日公演は行ったはず・・・と思い記録を探してみると・・・
1995年11月ウィーン・フィルハーモニー交響楽団の来日公演の指揮者がジェームズ・レヴァインでした!
私が行ったのは京都公演。プログラムは
ベルリオーズ作曲 歌劇「ベンヴェヌート=チェルリーニ」より序曲
武満 徹 作曲 オーケストラのためのヴィジョンズ(1.神秘 2.閉じた眼)
シューベルト作曲 交響曲第9番 ハ長調「グレイト」
私はクラシックが大好きなので数多くのコンサートに行きましたが、この日の公演はとても思い出深いものでした。
まず、京都まで聴きに行ったこと。
1995年のウィーン・フィルの日本公演は関西では大阪と京都だったので普通なら大阪を選んでいたはずですが、その年に京都コンサートホールが出来て、新しいホールで聴いてみたかったんです。木をものすごく多く使っているなぁと思ったのを覚えています。
それと、武満徹さんが客席に来られていて、武満さんの曲が終わったらステージに上がられたこと。
これは本当に驚きでした。武満徹さんは1996年2月に亡くなられたのでほんの3か月前の事だったことになります。遠くからであっても著名な方のお姿を直接拝見できたのは幸運だったなぁと今でも思っています。
私はクラシックのコンサートに関しては、生演奏を聴ける機会があればなるべく聴きたい、と思っています。それも出来れば色んな指揮者・演奏家の演奏を聴きたいと思っています。(現実にはなかなか難しいのですが・・・)
人生の元気な時期においてその時代に名のある人と同じ時代を生きるというのは奇跡的な事です。「チャンスがあったのに」とか「聴いておけばよかった」という事は一杯ありました。
今回のジェームズ・レヴァインのMET音楽監督退任のニュースも残念ながら後悔の一つになってしまったようです。