倉敷駅から約2.5㎞という近い場所に重井薬用植物園があります。
誘われて、私よりも少し年齢が上の方達と歩いて行ってきました。
園内には山野草を中心に多くの植物が大切に守られていました。
園長が詳しく解説してくれるのですが、なかなか一度では覚えきれません。
・ススキの根に寄生しているナンバンキセル。
昔は‘思い草’と呼ばれていたそうです。思い草の方が風流があっていいです。
・ススキによく似たオギ。
オギは湿った土地を好むそうです。ススキで作られたフクロウが実はススキではなくオギだったって事もよくあるそうです。
・青くて小さな花のタヌキマメ。
毛で覆われた萼(ガク)が狸のしっぽのようだから、花を正面からよく見ると狸の顔のようだから、その名が付いたそうです。小さいけどとてもかわいい花です。萼の中にはさやのような袋があって、中には黒い小さな種がありました。
重井薬用植物園には湿地もあります。今が秋であることを忘れるような色鮮やかなかわいい花が咲いていました。
・名前のイメージとは違うサワギキョウ。
キキョウと名が付くから五角形かと思いきやまるで違ってました。でもよく見ると花弁は5枚。女の人が両手を広げてダンスでも踊っているようです。
・たんぽぽみたいなスイラン。
たんぽぽみたいに見えるのは同じキク科だから。でも名前はスイラン。茎はとても細くて長い。この花を見ていると緑の中で黄色が如何に映えるかが良く分かります。
・金平糖みたいな形のミゾソバ。
小さな小さな花が集まって一つの集団を形作っています。集団になってもその大きさはスイランに勝てません。
園にはクチナシの木がありました。高さは2m弱くらいです。
花は終わり、実が沢山なっていました。少し実の色が色づき始めた頃でしたがこれからますます赤くなるんだそうです。
園長の話では、同植物園のクチナシの実は平成25年の伊勢神宮の式年遷宮で使用した織物の染色用に奉納されたそうです。
国産のクチナシの実は少なくなっているそうで貴重なものの様です。
重井薬用植物園は大きな植物園ではありませんが、絶滅危惧種に指定されているような貴重な植物を守るために栽培にも工夫されていました。
園長が言われていました。
貴重な植物を守ろうにも土壌や気候など環境が適さなくなると守れない、と。
重たい言葉です。