ある店とのゆるいつながり

 約1年ぶりに、ある喫茶店に行きました。
その喫茶店は税理士事務所に勤務していた頃、ランチで週1回くらいの頻度で利用していた店です。

 初めてその喫茶店に行ったとき、あまり良い印象ではありませんでした。
 ランチメニューを注文したのですが、セットになっていたドリンクを替えてもらいました。自分ではセットのドリンクを変更してもらったつもりでしたが、お店の人はランチではなくドリンクの注文だと思ったようで、テーブルにはドリンクしか運ばれてこず・・・尋ねたころにはもう時遅く、結局その日はランチを食べることなく過ごすことになってしまいました。

自分の注文の仕方が悪かったのかと思いつつも、時間帯や他の客がランチを食べていることからランチの注文とは思わなかったのだろうか、と店員の対応に不満を感じたのは事実です。
別にお店に不満や文句を言ったわけではなかったですが初めて入ったお店がこんな感じだったので、なかなかまた行こうという気にはならなかったです。

 次にその喫茶店に行ったのはだいぶ経ってからでした。3か月くらいは経ってたかなぁ。何となくドアを開けにくかったのを今でも覚えています。

 その後は徐々にその喫茶店に行くことが増え、毎週行くようになりました。
初めの頃はメニューを毎回変えていましたが、そのお店での自分のお気に入りが決まってからは、毎回同じメニュー(ふんわりオムレツと薄切りきゅうりをサンドしたエッグトーストサンド)を注文するようになりました。

 不思議なものだなぁと思います。

 第一印象が良くなかったので二度と行かなかいということもあったと思います。
それにその喫茶店は何か特別な特徴があるわけではありません。
道に面しているわけではなく(2階にあります)、きちんと分煙されているわけでもなく、特にオシャレという感じでもなく(お店の人ごめんなさい)、お店の方と特に話をするわけでもなく・・・親子3人でやっている、ごくごく普通の喫茶店です。

ただ私にとっては居心地の良いお店だったということなのでしょう。

結局そのお店に通った期間は2年に満たない程度でしたが、その間にはお店のご主人が亡くなったり、私も試験に合格したりと記憶に残ることがありました。
税理士事務所を退職後はほとんど立ち寄ることはないと思ったので、最後はあいさつと今までのランチのお礼を伝えました。

 その後はやはりその喫茶店に立ち寄る機会がほとんどなく、昨年は1回。そして今回約1年ぶりに立ち寄りました。
何も変わっていませんでした。お気に入りだったエッグトーストサンドを注文した時は「いつものね」という感じで。
お店を出る時、奥さんと娘さんと一言二言言葉を交わしましたが、覚えていてくれたことも嬉しく心地よかったです。

 店と客という関係にすぎないのですが、こういうつながりっていうのもなかなかいいなと感じました。