早いもので2016年も終わろうとしています。
そこで、個人事業主の方が12月31日までに届出なければいけないものを挙げてみました。いずれも消費税に関するものです。
1、課税事業者選択届出書
これは免税事業者が自ら「私、課税事業者になります!」と宣言する場合の届出書です。
この場合、翌年において消費税は「一般課税」として申告することになります。
(目的)
わざわざ課税事業者になるには理由があります。それは消費税の還付を受けることが出来る場合があるからです。
① 事業として輸出を行っている人
② 100万円(税抜き)以上の事業に使う機械や車などの固定資産を購入する予定のある人
③ ②に関連して、特に1,000万円(税抜き)以上の高額な商品や固定資産を仕入れる予定のある人
この様な人は、一度検討する必要があります。
でもそんなに簡単に有利になるわけではありません。
(注意点)
この届出を提出すると2年間は免税事業者には戻れません。
さらに、その2年間のうちに②や③のような高額資産を購入した場合には、購入した年を含めて3年間は一般課税による申告が強制されます。
2、課税事業者選択不適用届出書
これは消費税の課税事業者を選択していたけど選択をやめようとする場合の届出書です。
翌年から免税事業者になります。
3、簡易課税制度選択届出書
これは消費税の納税義務のある人(2年前の課税売上高が1,000万円以上5,000万円以下の人)が簡易課税制度を利用して申告する場合の届出書です。
翌年から「簡易課税」で申告することになります
(メリット)
消費税の対象となる課税売上高(一般的には売上と事業用の固定資産の譲渡収入にあたります)が分かれば消費税額を計算することが出来るので事務的な負担が軽くなります。
その理由は業種によって経費はこのくらい掛かっているだろうと国が予め決めている(課税売上に対して40%~90%)からです。
実際の経費割合が国が決めている割合よりも少なければ一般課税よりも納める消費税額が少なくなることになります。
(デメリット)
この届出を提出すると2年間は一般課税に出来ません。
簡易課税では消費税の還付を受けることは出来ません。従って上記の1、②や③の様に多額の出費が見込まれる場合は購入の時期について考える必要があります。
4、簡易課税制度選択不適用届出書
これは消費税の簡易課税制度の選択をやめようとする場合の届出書です。
この届出がされていないと一般課税にはなりません。
消費税は届出が重要です。
受け取った消費税-支払った消費税=納める消費税
と考え方はシンプルなはずなのに課税事業者選択届出書や簡易課税制度選択届出書というように、自分で選択できる仕組みがあるせいで複雑です。
今年出会った方の中に「もう少し早くお会いしていたら・・・」という方もおられました。
12月31日まであとわずかですがまだ日数はあります。
該当しそうな人は届出書を提出してください。