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 遊休農地の「負動産」  税から考えてみました

先月、遊休農地の事について書きました。
昨年11月、我が家に「利用意向調査書」「農地における利用の意向について」という書類が送られてきてから色々と考えます。

国としては耕作放棄地を減らし農業を出来るだけ効率よく続けてほしいために法人参入を認め、自分で農業が出来ない人に向けての政策として農地中間管理事業(いわゆる農地バンク)を設けています。
岡山県の農地バンクの利用状況を見てみましたが、H29年4月までの累計で農地を貸したい貸手2,343件に対して農地を借りたい受手696件。契約成約面積は9,879千㎡(約9,879反)となっています。
農家の高齢化や農業を継いでくれる人が少ないという話は以前からいろいろ言われていますが、貸手の件数が少ないなぁと思いました。
要因としては、借手が決まるまでは自分で農地を維持しないといけない、貸出期間が10年以上である、賃料が固定ではない(受手の意向を考慮する)などいろいろと問題があるようですが、それ以上に「所有者の土地に対する思い・愛着」と「農地の立地」が大きいのではないでしょうか。

私の父は昔から「土地は先祖から預かっているものだ」と言っていました。その場所で生まれ育ち、小さい頃から半ば強制的に手伝わされたりしていたそうですが、親や祖父母の苦労を見たり土地を守ることを教え込まれたせいもあるのでしょう、自分の代で手放すことは全く考えていません。人に貸すという事にも不安を感じるようです。
仮に貸すとしても、借りる方としては平地で形が整っているなど農作業のしやすい農地の方がいいはずです。(農地バンクを利用するか否かによらず)
そのような事を考えると、棚田100選などに選ばれるような特別な農地は別ですが、傾斜地にある畑などはいずれ遊休農地になるのではないかと思います。
そのような土地はいっぱいあるはずです。

今回はなんとか遊休農地と判定されないよう対処したわけですが、農地を所有している限り扱いをどうするかについて悩まされます。

そんな時、2017年6月7日付朝日新聞の「負動産」のゆくえという記事を読みました。
手放したくても買い手がつかず税の負担は続くという負の資産となっている不動産について3人の意見が紹介されています。
その中で札幌学院大学教授 田處博之さんは所有権という権利から意見を述べられていました。

所有者がいない土地は国に帰属すると民法は定めているが、土地を手放したい
人の一方的な申請による土地登記は出来ない(国が受取ってくれないと所有者で
なくなる登記は出来ない)。不動産も一定額を払えば所有権を放棄できるといった
ルールを作るべきではないか。

私も同じようなことを考えました。
土地を寄付したくても自治体が受付けてくれないのは、公共利用に必要ない土地であることと固定資産税が徴収できなくなるからです。
それならば一定年数分の固定資産税を払うから国が土地を引取ってくれないだろうか、と考えます。
一定年数はどのくらいかと考えると、例えば一世代と考えて30年くらいです。
所有者の金銭的な負担を考えるのであれば、所得税の寄付金控除を1年だけでなく10年間くらい出来たらいいのではないかと考えます。
固定資産税の30年分はそれなりの金額になりますが、農地は元々固定資産税が抑えられていますし、維持管理の負担を考えると妥協できるように思います。
国への寄付となれば所得税の寄付金控除の適用はあっても住民税の方は寄付金控除の対象とはならないので自治体は税収に影響ありません。それに、10年間の控除となると現在でも住宅ローン控除がありますし、所得税として考えても所得控除である寄付金控除は税額控除である住宅ローン控除ほど納付税額が抑えられるとは思えません。(感覚ですが)
さらに、国から農地を買いやすくする、ということにすればもっといいように思います。
自分が土地を手放したとしても子や孫の世代が再び農業をしたくなった時に、先祖が所有していた土地が他人のものになっていなければ買いたいと思うかもしれません。

まあ、こんなことを考えても実現の可能性はないのでしょうが、多少でも同じようなことを考えている人がいると分かっただけでもうれしいものです。

 遊休農地と言われても・・・

平成29年度から適用されるものとして「遊休農地への固定資産税の課税強化」があります。
遊休農地を減らして農業を強化したいというのが目的です。

1. 遊休農地に該当するか
遊休農地と判断されるかどうかの出発点は農業委員会による年1回(8月ごろ実施)の農地パトロールです。
対象となる農地とはどのような状態の農地を言うのでしょうか。
① 遊休農地
・過去1年以上耕作されておらず、かつ、今後も農地の維持管理(草刈り、耕起等)や農作物の栽培が行われる見込みがない農地
・農作物の栽培は行われているが周辺地域の農地と比較して、利用の程度が著しく劣っている農地
② 遊休化のおそれがある農地
・耕作者の引っ越し、死亡などにより耕作者が不在となり、適正な管理が困難となることが見込まれる農地

森林化や表面の土が無くなり原野化するなどよほど荒廃した状態でない限りは調査対象となるようです。

2. 遊休農地と判断されると
遊休農地と判断されると農地所有者に対して今後農地をどうするかの調査が行われます。
選択肢は5つです。
a)農地中間管理事業の活用(農地中間管理機構を通じて農地を貸したい)
b)円滑化事業の活用(JAなどを通じて農地を貸したい)
c)所有権移転等の予定(農地を売ったり、自分で耕作してくれる人を探して貸すなど)
d)自ら耕作する
e)その他(具体的内容)

昨年11月、我が家に「利用意向調査書」「農地における利用の意向について」という書類が送られてきました。通知は突然やって来ます。
まさしく遊休農地に関する調査です。
我が家の該当農地の状況がどうだったかと言うと
傾斜地にあり、軽自動車がなんとか通れるくらいの細い幅の道に接する20坪にも満たない程度の小さな土地で、10年以上放ったらかしにしていたため細い笹等の根が広がっていました。奥に家屋があるため、時々は通れる程度の草刈りはしていましたが、土地全体は手入れを全くしていない状態でした。
祖母が元気で体が動いていた頃は畑として野菜を植えていましたが、庭の延長のように思っており‘農地’となっていたとは全然思いもしませんでした。

所有者である親の意向により「自ら耕作します」と回答しましたが、利用意向書には
  自ら耕作する意思を表明した場合において、その表明のあった日から起算して
  6ケ月を経過した日においても、農業上の利用の増進が図られていないときは
  農地中間管理機構と協議すべき旨を勧告しますので留意願います
(6ヶ月間何もしなければ、農地中間管理機構が都道府県知事の認可によりその土地を使いたい人に農地を貸しますということ)

と書かれてあり、放っておくわけにはいかなくなりました。
とは言え、草刈りをするのが精いっぱいでした。
その後、役場の担当者に「耕作します、と回答したけど‘耕作’は本当に畑レベルまでの状態を指すの?」と恐る恐る聞いてみると・・・「そのようなことはありません」との返事でした。
航空写真からその土地が、周辺が山林のような場所にあったためかもしれませんがまずは一安心したところです。

「農業強化のために耕作していない農地があるなら固定資産税を高くする」・・・頭では理解できるところはありますが、国の都合だけの政策だなと感じます。
今後過疎地域が増えると遊休農地が益々増えるだろうという事は簡単に想像できます。
本当に農業強化をしたいの?税収を増やしたいだけじゃないの?
疑問に感じます。

 水路がからむ土地・道路の調査

相続で土地について調べる時いろいろ資料を集めます。
代表的なものとしては・・・ブルーマップ、固定資産税評価証明書、登記事項証明書、公図、地積測量図・・・などでしょうか。
ブルーマップやGoogleマップなどで周辺の様子を確認したり、公図(特に国土調査に基づく14条地図)や地積測量図で大体の大きさを把握します。
これらの資料で、土地についてはわかることはありますが道路については分かりません。
そのため現地で道幅を測ったり、役所でその道について調べます。

水路に橋がかかる土地

道路と水路にはさまれた土地がありました。水路には道路(道路幅4m)が接していて、幅2mの橋がかかっていました。
道路台帳平面図上も幅員4m以上になっていたので建築基準法第42条1号道路に該当します。橋の幅が2mだったので、接道義務を満たしているものと思っていました。
水路に橋のかかる土地の図

役場で、確認のためにと思って「水路の占有許可受けてますか?」と聞くと・・・「占有許可の申請は出ていません。橋は市の所有でもありません。○○号線には橋はないことになっています。」との回答。
えっ!ちゃんと橋はあるよっ!て感じです。
職員の話では「昔からある場合、たまにこのような例もある」との事でしたが、その土地についてはもう一つ問題がありました。

その土地には2棟の家屋が建っていました。
水路に橋のかかる土地 家付き
道路側(緑色の部分)には2mの接道距離を確保する余裕はありません。水路側(ピンク色の部分)の家屋の住人は幅2mの橋がついているので緑色部分を通らなくても車も乗り入れ出来、普段の生活には支障がないのです。
でも、将来家屋の建て替えをしたいときには建て替えが出来ない可能性があります。
それは
・土地が建築基準法上の道路に接していなければ建物は建てられない
・1つの敷地には1つの建物しか建ててはいけない
があるからです。

相続税の申告とは直接関係ないのですが、この土地の場合どうなるのか市の職員に聞いてみると「建設指導課で相談してみてください。橋を道路と認めてもらえるかもしれません。」という事でした。
この土地の場合、実際建て替えとなった時には他にも解決方法がありそうだったので大きな問題とはなりそうもないのですが、使い勝手としてはあまりよくない土地です。

それにしても・・・実在する橋が書類上は存在しないとは・・・確認してみないと分からないものです。

 ある店とのゆるいつながり

 約1年ぶりに、ある喫茶店に行きました。
その喫茶店は税理士事務所に勤務していた頃、ランチで週1回くらいの頻度で利用していた店です。

 初めてその喫茶店に行ったとき、あまり良い印象ではありませんでした。
 ランチメニューを注文したのですが、セットになっていたドリンクを替えてもらいました。自分ではセットのドリンクを変更してもらったつもりでしたが、お店の人はランチではなくドリンクの注文だと思ったようで、テーブルにはドリンクしか運ばれてこず・・・尋ねたころにはもう時遅く、結局その日はランチを食べることなく過ごすことになってしまいました。

自分の注文の仕方が悪かったのかと思いつつも、時間帯や他の客がランチを食べていることからランチの注文とは思わなかったのだろうか、と店員の対応に不満を感じたのは事実です。
別にお店に不満や文句を言ったわけではなかったですが初めて入ったお店がこんな感じだったので、なかなかまた行こうという気にはならなかったです。

 次にその喫茶店に行ったのはだいぶ経ってからでした。3か月くらいは経ってたかなぁ。何となくドアを開けにくかったのを今でも覚えています。

 その後は徐々にその喫茶店に行くことが増え、毎週行くようになりました。
初めの頃はメニューを毎回変えていましたが、そのお店での自分のお気に入りが決まってからは、毎回同じメニュー(ふんわりオムレツと薄切りきゅうりをサンドしたエッグトーストサンド)を注文するようになりました。

 不思議なものだなぁと思います。

 第一印象が良くなかったので二度と行かなかいということもあったと思います。
それにその喫茶店は何か特別な特徴があるわけではありません。
道に面しているわけではなく(2階にあります)、きちんと分煙されているわけでもなく、特にオシャレという感じでもなく(お店の人ごめんなさい)、お店の方と特に話をするわけでもなく・・・親子3人でやっている、ごくごく普通の喫茶店です。

ただ私にとっては居心地の良いお店だったということなのでしょう。

結局そのお店に通った期間は2年に満たない程度でしたが、その間にはお店のご主人が亡くなったり、私も試験に合格したりと記憶に残ることがありました。
税理士事務所を退職後はほとんど立ち寄ることはないと思ったので、最後はあいさつと今までのランチのお礼を伝えました。

 その後はやはりその喫茶店に立ち寄る機会がほとんどなく、昨年は1回。そして今回約1年ぶりに立ち寄りました。
何も変わっていませんでした。お気に入りだったエッグトーストサンドを注文した時は「いつものね」という感じで。
お店を出る時、奥さんと娘さんと一言二言言葉を交わしましたが、覚えていてくれたことも嬉しく心地よかったです。

 店と客という関係にすぎないのですが、こういうつながりっていうのもなかなかいいなと感じました。

 保険が満期になったので別の保険に入りました(所得税)

今年の所得税の確定申告もそろそろ折り返しを迎えました。
所得税の確定申告の時、確認のためにお聞きする内容の一つが保険金の受け取りがあったかどうかです。
「保険が満期になったので、その保険金で別の保険に入りました。申告書には載せてません。」
という話がありました。
これについては、「そうですか」とすんなり聞き流すわけにはいきません。

Step1.所得税の対象になるか
この方は、新しい保険に入ったことで手元にお金が残らなかったから申告する必要はない、と考えていたようです。でも、先ほどの内容は
(1)満期保険金(正確には満期返戻金)を一度に受け取った
(2)受け取った保険金で新しい保険を契約した
の2つの行為に分けて考えないといけません。

(1)は一時所得に該当します。(2)は保険契約にあたり資金をどこから出したかという事であり、この時点では税金計算には直接関係ありません。

Step2.所得はいくらになるか
一時所得は次の算式で計算します。
総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)
収入を得るために支出した金額とは・・・その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る、という注釈がついてます。
上記の場合、「収入を生じた」が満期返戻金に該当するので
満期返戻金受取額-契約期間に支払った掛金総額-特別控除額
となります。
特別控除額は最高50万円ですが、昨今は金利が低いため一つの契約で50万円を超えるくらい高収益の保険契約はなかなか見かけません。

Step3.申告するか
最後に申告が必要かどうか考えます。
収入が公的年金だけで、その公的年金の収入金額が400万円以下であり、源泉徴収がきちんとされている人は、Step2で計算した一時所得が20万円以下であれば確定申告の必要がありません。
ですが、収入が公的年金だけ(400万円以下)であって、源泉徴収されていたとしても、医療費控除や生命保険料控除などを使って所得税の還付をしてもらおうとする場合は、一時所得が20万円以下であっても申告が必要になります。

「申告が必要かどうか」はいろいろなことを含めて考えないといけません。
申告しなかったとしても1回で100万円を超える生命保険契約の一時金や損害保険契約の満期返戻金を受け取ったら、保険会社から税務署へ報告されています。

お話を聞くとき、他愛もないことであったり日々の生活のことであったり相手の方にあわせて聞いているのですが、税に関して気になることを聞いてしまうこともあります。
その方の認識が間違っていれば正しい事を説明しますが、表情が曇ってくることもあったりするとこちらも何とも言えない感じになってしまいます。

 要介護認定者は認定書があれば障害者控除の対象になります

そろそろ所得税の確定申告の時期になりました。

今回は65歳以上の方の障害者控除について書きます。

本人または扶養を受けている人が障害者である場合、所得税や住民税の所得控除(これを「障害者控除」と言います。)を受けることが出来ます。

身体障害者手帳等の交付を受けているかどうか
その手帳に記載されている級数が何級か
で障害者に該当するのか特別障害者に該当するのかを判断することが多いです。

所得税の控除額(1人あたり)・・・障害者 27万円
                 特別障害者 40万円(同居の場合は75万円)

手帳はないけど障害者控除を受けたい

身体障害者手帳等の交付を受けていなくても障害者控除を受けることが出来る制度があります。

対象となる人は次の両方の条件を満たす人です。
① 満65歳以上の人
② 「ねたきり」あるいは「認知症」等で身体障害者等に準ずる者として市町村長が認定した人

 市町村長の認定について

該当する人は「障害者控除対象者認定申請書」を市町村へ提出し、「障害者控除対象者認定書」の交付を受けてください。

倉敷市の場合申請書はここから手に入ります。http://www.city.kurashiki.okayama.jp/secure/4685/%E3%80%90%E6%A7%98%E5%BC%8F%E3%80%91%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%8E%A7%E9%99%A4%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E7%94%B3%E8%AB%8B%E6%9B%B8.pdf

認定基準は自治体によって異なるため確認が必要となります。
ちなみに倉敷市の場合、要支援の方は申請をしても認定を受けられません。

 

確定申告書に認定書を添付して提出すれば障害者控除を受けることが出来ます。

 個人事業主の方が12月31日までにしておくこと

早いもので2016年も終わろうとしています。
そこで、個人事業主の方が12月31日までに届出なければいけないものを挙げてみました。いずれも消費税に関するものです。

1、課税事業者選択届出書
これは免税事業者が自ら「私、課税事業者になります!」と宣言する場合の届出書です。
この場合、翌年において消費税は「一般課税」として申告することになります。

(目的)
わざわざ課税事業者になるには理由があります。それは消費税の還付を受けることが出来る場合があるからです。
①  事業として輸出を行っている人
②  100万円(税抜き)以上の事業に使う機械や車などの固定資産を購入する予定のある人
③  ②に関連して、特に1,000万円(税抜き)以上の高額な商品や固定資産を仕入れる予定のある人
この様な人は、一度検討する必要があります。

でもそんなに簡単に有利になるわけではありません。
(注意点)
この届出を提出すると2年間は免税事業者には戻れません。
さらに、その2年間のうちに②や③のような高額資産を購入した場合には、購入した年を含めて3年間は一般課税による申告が強制されます。

2、課税事業者選択不適用届出書
これは消費税の課税事業者を選択していたけど選択をやめようとする場合の届出書です。
翌年から免税事業者になります。

3、簡易課税制度選択届出書
これは消費税の納税義務のある人(2年前の課税売上高が1,000万円以上5,000万円以下の人)が簡易課税制度を利用して申告する場合の届出書です。
翌年から「簡易課税」で申告することになります

(メリット)
消費税の対象となる課税売上高(一般的には売上と事業用の固定資産の譲渡収入にあたります)が分かれば消費税額を計算することが出来るので事務的な負担が軽くなります。
その理由は業種によって経費はこのくらい掛かっているだろうと国が予め決めている(課税売上に対して40%~90%)からです。
実際の経費割合が国が決めている割合よりも少なければ一般課税よりも納める消費税額が少なくなることになります。

(デメリット)
この届出を提出すると2年間は一般課税に出来ません。
簡易課税では消費税の還付を受けることは出来ません。従って上記の1、②や③の様に多額の出費が見込まれる場合は購入の時期について考える必要があります。

4、簡易課税制度選択不適用届出書
これは消費税の簡易課税制度の選択をやめようとする場合の届出書です。
この届出がされていないと一般課税にはなりません。

消費税は届出が重要です。

受け取った消費税-支払った消費税=納める消費税

と考え方はシンプルなはずなのに課税事業者選択届出書や簡易課税制度選択届出書というように、自分で選択できる仕組みがあるせいで複雑です。
今年出会った方の中に「もう少し早くお会いしていたら・・・」という方もおられました。

12月31日まであとわずかですがまだ日数はあります。
該当しそうな人は届出書を提出してください。

 平成29年から始まるスイッチOTC薬控除 第2弾 レシートに注意

7月に平成29年から始まるスイッチOTC薬控除(セルフメディケーション税制)について書きました。
内容をもう一度簡単にまとめると

① 平成29年1月1日~平成33年12月31日までの間に
② 会社の定期健康診断を受けるなど健康維持の増進や病気予防のために一定の取組をしている人が
③ 薬局やドラッグストアなどで
④ 自分や同一生計の家族が使うためのスイッチOTC医薬品を1年間で12,000円以上購入した場合
⑤ 超えた部分の金額(上限は88,000円)をその年の所得金額から控除します
ただし、従来からある医療費控除と併せて利用することは出来ず、どちらを利用するかは自分で選択することになります。

なるべく自分で病気予防に努め、軽い身体の不調は市販薬を利用してもらい、その結果として医療費を少しでも抑えたいということのようです。

さて、この税制の対象となるスイッチOTC医薬品は約1,500品目あります。
レシート等に「この商品はセルフメディケーション税制対象商品である」と明記されていないと控除を受けることが出来ません。
そのためレシート等に

・対象商品に★などのマークを付け「★印はセルフメディケーション税制対象商品」と記載
又は
・対象商品だけの合計額を区別して記載

することになりました。

ドラッグストアをよく利用する人
年間医療費が10万円を超えず医療費控除を利用する機会が少なかった人
来年からはレシート・領収書をよく見てなるべく取っておきましょう。

 サワギキョウ、スイラン・・・秋にもかわいい花があります

倉敷駅から約2.5㎞という近い場所に重井薬用植物園があります。
誘われて、私よりも少し年齢が上の方達と歩いて行ってきました。

園内には山野草を中心に多くの植物が大切に守られていました。
園長が詳しく解説してくれるのですが、なかなか一度では覚えきれません。

・ススキの根に寄生しているナンバンキセル
昔は‘思い草’と呼ばれていたそうです。思い草の方が風流があっていいです。

ススキによく似たオギ
オギは湿った土地を好むそうです。ススキで作られたフクロウが実はススキではなくオギだったって事もよくあるそうです。

・青くて小さな花のタヌキマメ
20161025%ef%be%80%ef%be%87%ef%bd%b7%ef%be%8f%ef%be%92 毛で覆われた萼(ガク)が狸のしっぽのようだから、花を正面からよく見ると狸の顔のようだから、その名が付いたそうです。小さいけどとてもかわいい花です。萼の中にはさやのような袋があって、中には黒い小さな種がありました。

 

重井薬用植物園には湿地もあります。今が秋であることを忘れるような色鮮やかなかわいい花が咲いていました。

 

・名前のイメージとは違うサワギキョウ
20161025%ef%bd%bb%ef%be%9c%ef%bd%b7%ef%bd%b7%ef%bd%ae%ef%bd%b3 キキョウと名が付くから五角形かと思いきやまるで違ってました。でもよく見ると花弁は5枚。女の人が両手を広げてダンスでも踊っているようです。

 

 

・たんぽぽみたいなスイラン
20161025%ef%bd%bd%ef%bd%b2%ef%be%97%ef%be%9d たんぽぽみたいに見えるのは同じキク科だから。でも名前はスイラン。茎はとても細くて長い。この花を見ていると緑の中で黄色が如何に映えるかが良く分かります。

 

 

・金平糖みたいな形のミゾソバ
20161025%ef%be%90%ef%bd%bf%ef%be%9e%ef%bd%bf%ef%be%8a%ef%be%9e 小さな小さな花が集まって一つの集団を形作っています。集団になってもその大きさはスイランに勝てません。

 

 

園にはクチナシの木がありました。高さは2m弱くらいです。
花は終わり、実が沢山なっていました。少し実の色が色づき始めた頃でしたがこれからますます赤くなるんだそうです。
園長の話では、同植物園のクチナシの実は平成25年の伊勢神宮の式年遷宮で使用した織物の染色用に奉納されたそうです。
国産のクチナシの実は少なくなっているそうで貴重なものの様です。

重井薬用植物園は大きな植物園ではありませんが、絶滅危惧種に指定されているような貴重な植物を守るために栽培にも工夫されていました。

園長が言われていました。
貴重な植物を守ろうにも土壌や気候など環境が適さなくなると守れない、と。

重たい言葉です。

 仕訳の仕方も人それぞれ。

昨日BS11で放送された「小澤征爾 若き才能とつむぐ四重奏(カルテット)」という番組を観ました。

指揮者、小澤征爾さんが10年前から開校したスイス国際音楽アカデミーで受講する若い才能ある音楽家24人が6組に分かれ、講師から弦楽四重奏の演奏方法を学び、最後は全員で小澤さんの指揮でグリーグ作曲のホルベルグ組曲を合奏する、というものでした。
小澤さんは音楽家にとっては四重奏の演奏がとても大切と言っていました。
オーケストラにあるような派手な演出的な効果がない弦楽四重奏では、ソリストのように自己主張ばかりは出来ず協調性が必要となるため、奏法にしても解釈にしても音楽の基本が四重奏だと考えているそうです。

税理士・会計士・経理、これら会計に関する人たちの基本は簿記であり、仕訳を使って取引を記録しています。
この仕訳というもの、単純そうで誰がやっても同じようですが意外と個性がでるなと思っています。

私は日商簿記検定2級に合格した後一般企業の経理として8年勤務しました。
その後いろいろあって税理士事務所に勤務することになったのですが、そこで初めて他人の仕訳を見ました。
例えば、「預金から家賃5万円を支払った。振込料は108円かかった。」という取引があった場合の仕訳についてはいろいろ考えられます。

パターン (借方) (貸方) 摘要
地代家賃 50,000 普通預金 50,108 家賃 学習上、一般的な仕訳
支払手数料 108 振込料
地代家賃 50,000 ①の変形
支払手数料 108 振込料 1行につき1科目とした仕訳
普通預金 50,108 家賃
地代家賃 50,000 普通預金 50,000 1対1の仕訳
支払手数料 108 普通預金 108 振込料
地代家賃 50,108 普通預金 50,108 ③の変形
支払手数料 108 地代家賃 108 科目振替 全額地代家賃とした後
振込料を支払手数料に振替
現金 50,108 普通預金 50,108 家賃支払用引出し ③の変形
地代家賃 50,000 現金 50,000 現金勘定で管理する方法
支払手数料 108 現金 108 振込料

どれも間違いではありません。記録や会計ソフトへの入力の仕方が違うだけです。
私は②か③の方法で仕訳をしています。
預金の場合は通帳の記載に合わせます。50,108円と記載されていれば②、50,000円と108円に分かれていれば③です。

②のように相手勘定を空白で入力する時には摘要にいろいろ書いてます。

(借方) (貸方) 摘要
地代家賃 50,000 家主名、○月分 △銀行より
支払手数料 108 振込料 家賃
普通預金 50,108 家賃 ○月分

入力の手間は増えますが総勘定元帳で見たときに分かりやすいため、②のやり方でやってます。
これは一般企業の経理として勤務していた時の経験によるものです。
その会社の年商は6億~7億円くらいでしたが、1カ月の仕訳数はかなり多かったです。
期中であったり、決算時であったり取引について調べたいときに、仕訳の計上の仕方や摘要への入力の仕方で作業効率が変わることを実感しました。
でも税理士事務所で勤務していたときはどの程度入力すればよいのか良く分かりませんでした。自分がお客様の会社の従業員ではないからです。

仕訳の入力を税理士事務所に依頼されている方は1度総勘定元帳を見てはいかがでしょうか。摘要に何が記載されているかを見るだけでも入力した人の個性を感じることが出来るかもしれません。